ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

涼しいことだけはありがたい週末と週初

 とにかく発達した前線のために各地で降水量がとても多いのだ。数日間で、各地の8月の月間降水量の、半分/同じくらい/ほぼ2倍などということばがテレビから流れてくる。あふれた川はおそろしい、その川に辿り着けなかった水をたっぷり含んだ土砂はさらにおそろしい。九州の山岳地帯で育ったわたしは、大雨の日のごうごうと鳴る木と草と大気を思い出す、そして、雨がやんでからりと晴れ上がった翌日、どこどこの斜面が崩れたので人を出さなければという大声が響く。いずれ県や町の人が検分して改めて業者が補修するのだろうが、当座、そこの道路の土砂を退けておかなければ日常生活が営めない。だから、20代30代が万障繰り合わせてスコップをもって片付けるのだ。狭隘な山奥で能率よく動くであろう小回りの利く重機なんて、田舎には殆どないような時代のことだ。

 その田舎では、夏の晴れた昼、峠から見渡せば、視界に入るすべてはほぼ緑に覆われている。緑のほかにはなにもないという空虚と豊穣にしばらくうっとりする。その緑を僅かに引っ掻くように、田畑、人家それらを繋ぐ細い細い道路が見える。巨大な山の上にキャラメルのおまけの家や車を置いたように、人の営みはささやかでいとしい。だからこそ、その命は護られなければならない。

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無印良品・ラインマーカー

 「ふじむらさきいろ」などと個性的な名前。