ゆうべの地震発生時には、風呂に入って念入りに髪を洗い、サーキュレータの風にさらしながら隙を見計らっては「たぬき」を生成しようとする髪の束と静かに格闘していた。それがようやく終わろうとするころ、強い揺れがきた。震央を千葉県北西部とする深さ75km・マグニチュード5.9の地震は、おそらくは長周期のものだったようで、高層階にいた人は、(その地点の震度と比較して)けっこう強い揺れを感じたようだ。わたしのうちはそれほど高い場所にはないが、建物のもともとの構造が古めなので、大きく揺れて、いくつかある本棚の向きによっては中のものが落ちたりした。
落ちたものを片付けねば安心して寝られないので、揺れが収まったあと、簡単な整理作業を開始した。そうしたら、何年か前にフェリシモさんの通信販売で購入したDMCの神奈川沖浪裏の刺繍キットが出てきた。クロスステッチのだ。クロスステッチ刺繍は、わたしが人生の割合早い時期に始めた趣味のひとつで、刺し子に移るまではけっこうよく刺していた。キットを買って刺すクロスステッチでも、自分の針が無地のクロスに徐々に刺繍糸を広げ、それがあるとき、ひとつの具体的な像を結ぶ瞬間の嬉しさはなかなかのものである。自分で図面を引いて糸を選んで作品にするのとは、また違った面白さがあるといえるだろう。
もっとも買ったはいいけれど、数年来目の調子がよくないので、まだパッケージも開けていないのだけど。同じ時期に購入したDMCの限定糸の缶は、ちゃんと役に立てている。
オウサマペンギンのヌイグルミを新たに迎えたら、ジェンツーペンギンのピヨラット氏よりもご体格のよいヒトでした。