ここ数日、涙を多く目撃する。死別ではなく、生き別れの際に流れる涙。ふだんから柔らかい物腰の人はもうはなから、そうでもない人ならなぜかまして多くの涙を溢して別れを惜しむ。そう、惜別の涙というのだった。
わたしは、九州の生まれで高校卒業まで九州を離れることはなかったが、そういう涙を流して別れるような性格の交際をついぞもつことはなかった。自分の値打ちは、当地の誰にとってもおしなべてすくないものであったと現在ならば冷静に測ることもできるが、若い日、自分の人生の折り返し地点さえ遙けき彼方にあったころには、そういった現実と自分の折り合いの悪さに苦しんだこともあった。あったと思う。
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