ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

日本の家屋は寒すぎると

 きのう、朝日新聞デジタルを読んでいると、特集記事で、「気候変動下にあっても、健康で長生きするために住まいの室温を断熱仕様や暖房器具を適正に用いて冬でも18℃以上にしよう」という趣旨のものがあった。これは、おもに高血圧症による死亡を防止するためで、冬期に向けたものだから、きっと夏期については、「エアコンや扇風機、住まいの断熱、通風によって、28℃以下とか25℃以下に保とう」という趣旨になると思う。

 たしかに、日本では、冬期の最低気温がマイナス20℃という場所に住んでいる人は少ない。でも、同マイナス5℃くらいの地域は、わりと広い。そういうところに建つ、断熱仕様を施されていない中古の木造民家は、隙間風が吹き込んでくるわけでもないのに、早朝、暖房の切れた居間で、無印良品のオリーブスクワランのプラボトルの内容物が凍り、台所では、オリーブオイルが同じく凍って瓶から出てこない冬の日がある。

 この例は、1975年ごろに建てられたという、わたしの身内の家のはなしである。顔を洗って、さてオリーブスクワランを塗ろうと思ったら、ポンプを押しても出てこないのよ、と電話の先で身内は笑っていたが、わたしの顔はさっと青ざめた。それ、サイレントキラーと同居しているということよ。

 たしかに、住居の断熱工事には、補助金が付くこともあるだろうけど、それでもお金が掛かる。実効性のある工事がされたあとなら暖房費も多少は減ることもあるだろう。でも、この燃料高の冬に、高齢者の部屋をはじめとして、屋内を18℃以上に保つのは、寒冷地の木造住宅、それも断熱工事前だったり工事後でも効き目不十分だったりすれば、かなり難しい。寒さは、足元から頭上から壁から窓から迫ってくる。

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