ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

25年後の『不夜城』

 台湾の血が半分入った日本国籍の故買屋と、中国残留孤児二世らが、新宿歌舞伎町の華人グループ間の勢力争いに巻き込まれていく話。

 そこには、1998年当時の、きれいとはいえないまでも、人間味の残った新宿東口を出て、左に曲がって奥へ奥へと入り込んでいく映像が残り、二月半ばの春節を迎えるころの中央線を走り抜ける快速電車は燃えるような朱の色だ。山本未來の整った容姿、金城武の切れのある身ごなしが、暗めの歳末の町によく映えている。登場人物のうち、かなりの割合の人間が息を吐くように偽りを語り、白昼、地下道を上がったところで銃撃戦が勃発する。

 現実はどうだったのか、もう覚えていない。