ぴょん記

こつこつ憶える

夏になるのかな

f:id:e_pyonpyon21:20140711153210j:plain

 

 かなり年下の友人が入院・手術をするというので連絡をくれた。他人のことを少々心配に感じても、軽々に動いて、あとで疎まれることになっては、相手のためにも自分のためにもならないと思うことが多々あるので、それはそれはお大事にねとそこだけはほんとうに心をこめていっておいた。

 

 そう、自分のほんとうの気持ちというのはよくわからないことが多い。他人に対して、攻撃的になりすぎても防御的に構えすぎても、うまくいかないことがしばしばなので、なにか不都合なことが起こっても、よほどのことでないかぎり、無表情に遣り過ごすうちに、自分の内心すら、悲しいのか腹立たしいのか曖昧になる。

 

 たとえば、他人に親切にするのは、わたしの割合好むところのものであるはずなのだけれど、それが相手にとって実は迷惑であれば、はじめからしないほうがもちろんよいのだろう。ところで、わたしは、ほんとうに他人に親切にすることを心の底から喜んで行っているのか。単なる惰性、ひとつの生活習慣としてしているのにすぎないのではないか。

 

 いっそ気が利かないと思われるくらいに、他人について関心を示さず、自分の用務にだけ専心していれば、心の水面にさざ波が立つことも少なくなるものだろうか。自分の内部に生じる、親切そうな行いを実際に手がけたいという衝動を抑えつけつつ、だまって気付かないふりをしているほうが、他人にとっても自分にとっても平穏な時間が確保されるというものではなかろうか。

 

 以上のようなことをほぼ1年かけてやっと読み終わった清少納言のお話の感想に代えて書き付けておく。人との関わりかたの基本方針をいい年になって少しずつ変更していくのはけっこうきついけれども。とはいふもののおまへではなし。

 

 同時代の女房が描写したのをさらにデフォルメして捉えると、清原元輔女は、いかにも全盛期の中宮定子の威光を嵩にきた驕慢な女性ということになるのだろうけど、この作品では、受領階級の常識的な女性で、きちんとした大人として描かれていてけっこうよかった。

 

今週のお題「選んでよかったもの」:冲方丁『はなとゆめ』

 

はなとゆめ (単行本)

はなとゆめ (単行本)