ぴょん記

はてなスターはじめました 2022/04/19

だれかレイヤーを分けて説明して

 もとより美術は、広義の政治と無縁でいられるはずもない。それどころか、美術作品の中には、強い政治的メッセージを発信するものすらある。その美術作品の巧拙や完成度はともかく、政治性の強さは、それに触れるものから、絶対値の大きさは同じ、共感又は反感を引き出す。

 美術作品の展示に公金が支出されたことを理由に、その展示の企画自体を非難することは、特に非難されるべきことではない。直接の税金の出捐、補助金という形での援助、公租公課の軽減という意味での手助け、広報手段のひとつに公共放送が含まれている、はては、その展示場所までの交通手段が公のものであるなど、公金を一銭も遣わない、純粋に私人による閉ざされた催しは少ない。もしも、そのようなものならば、そもそも苦情も殆ど出ないだろう。わたしたちの選んだ国会議員がかつて定めていまも改正し続ける地方自治法の一隅には、住民訴訟の規定があって、違法な公金の支出を咎めてそれを「みんなの財布」に戻すように請求しろと首長に求めるきまりもある。だから、美術作品の展示について、税金の使い道として適切ではなかったというかたちの非難はありうる。

 ただし、これはいかがなものかという美術作品に出くわしたときに、もしも同じような美術作品や、そうでなくとも別の表現手段で反論することが可能であれば、税金云々を持ち出すまでもないのかもしれない。対抗言論ならぬ、対抗美術で応じることで、自らの優位を示すことも考えられる。でも、誰もが歯科医になれるわけではないように、みんながインスタレーションを制作できるわけではない。例を挙げれば、わたしは、齲歯の治療も簡単な地図の作成もろくにできない。だから、地自法の規定がある。

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