ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

腹巻帽子の旅立ち

 ずっと「腹巻き帽子」だと思っていたけれど、梅村マルティナさんがまとめられた編み図の本の奥付あたりで権利関係を調べていたら、「腹巻帽子」が登録商標として用いられているようなので、今後は「き」を抜いた表記を心懸けようと思った。

 ハハは、年齢からいえばおばあちゃんではあるが、背などわたしより高いので、寄る年波で苦労が顔に出ているわたしとふたりで電車にでも乗っていると、たぶん少し年の離れた姉妹に見えることだろう。ハハは、11の年から6歳下の妹を物故した母親に代わって育てる宿命を負ったひとで、17で跡取り息子だった兄を失い、21歳で婿取りをしている。工場に勤めても農家に嫁いでも、たぶんわたしは身体が弱いから、早めに病気で死んでいたのではないかなどと幸薄そうなことばをしばしば口にする。実際、身体は、弱い。弱いことは弱いが、一病息災ということば通り、やまいととも連れで生きてはいる。

 

  リリーさんに比べて、わたしは、まったく親孝行などしていないな、と思いながら、でもなにか開き直って、水通しして乾かしてアイロンを掛けた腹巻帽子を含む、細々とした雑貨を箱に詰めていった。