ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

わたしも怖かったが後続車のドライバーはさぞや

 雪の又の日、の翌日。日向の雪もそれほど完璧に溶けきってはおらず、溶けかかって凍ってまた溶けかかって、という御念の入った製法でもって拵えられたアイスバーンが国道の歩行者用通路にところどころ残っていた。その歩行者用通路を通らせていただくわれら自転車乗り、普段よりも狭くなった、場所によっては3分の1ほどの幅になった通路を歩行者様に、すみません、失礼しますなどとお声がけをしてたらたらと進む。

 間違っても、背後から矢庭に自転車のベルを鳴らしたりはしない。

 自転車に乗って出掛けて帰るだけなのに、今回ばかりはそういう気の重い作業になるのがなぜかわかっていたし、外気は常よりもなおひんやりしているしで、出掛けるのは本当に厭だった。何年かに1度ぐらい、もう厭で厭で溜まりませんが必要がありますのでかくなる上は心を込めていたします、という作業にぶつかる。たいてい身内関係の難事である。今回もそう。しかし、自分の用事もほんの少しあったので、午後の早いうちに行ってきた。冷たい空気は咳を誘発し、途中で帰りたくなったりもしたけれど、なんとか用事を済ませた。珍しく少しだけ自分が憐れまれた。

 さて、実際の通行では、凍って半分以下の幅になっている歩行者用通路を通ってばかりもいられず、ところどころで車道に出て、大きな車が脇を抜けていく瞬間も何度かあった。車道を走った距離は、そう長くはなかったが、こんな自転車をよけながら大きな車を運転するドライバーさんは気の毒だなと思った。

 

 夜中に、スミスさんがボンベイに旅立つまでの段を読んで、しんみりした。