ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

お金で始末のつく仲らい

 林真理子『愉楽にて』で、東京に住む、妻を亡くしたばかりの会社経営者・田口は、京都の芸妓を世話することになり、月々の手当てと、踊りの舞台や特別な座敷のための衣装代を負担することになった。物語が進むにつれて、田口はこの芸妓とは別の女性に心を奪われていき、しまいには芸妓との行き来はすっかり絶えてしまう。芸妓との仲を取り持った、有能な茶屋の女将とか、ほんとにいらんことばかりする二口も三口も多い田口の母親とか、とにかく女だらけである。装い、やがて老いていく女の群れに揉まれて、田口ならずとも男ができることはほんの僅かなのである。

 

  2012年のNHK大河ドラマ平清盛』のキャストで読んでしまう。美福門院は松雪泰子さんで、鳥羽院三上博史さんだ。