『オーバーフェンス』は、函館の職業訓練校の建築科に集う、年齢も家庭環境も経歴もばらばらな男たちと（そういえば、女性の訓練生は映っていなかった！）、ホステスと遊園地のアルバイトを掛け持ちして実家の離れで暮らしている女の人の交流。その女性が、蒼井優に似ているかなと思いつつ、最後のテロップでご本人だと知ったときの驚き。蒼井優が変わったんじゃない、わたしの視力が衰えてしまったんだ。
『不能犯』は、『ヘルタースケルター』同様、主演女優の薬物事案での逮捕勾留に伴って、アマゾンお勧めで上がってきたのだと思う。1本の映画の短くない撮影期間中、完全にクリーンな状態でいるほうが難しかったのではないか、共演者は、なにも気付かなかったのか、などとあれこれ余計なことを考える。わたしは、たとえば大麻使用の非罰化には反対の立場をとるが、刑に服するのとは別に、薬物使用の誘惑と闘うという困難に向かい合うにあたって、彼女の支えになる人がいることを願う。だって、それはとても孤独な営為らしいから。
