ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

ヘンリー八世の六人の妻

 例の歴史ドラマをラスト2話までなんとか流した。ドラマを観る主な時間帯である夜中、わたしの眼が画面をほとんど追えないし、日本語でも原語でも、音声を耳にしているうちによく寝入ってしまう。だから、そのままの意味で「流した」としか言いようがない。

 その上でヘンリー八世の六人の奥さんを年代順に簡単に説明する。一人目は、アラゴンのキャサリンスペイン王室からお嫁さんにきた敬虔なカトリック教徒。メアリー一世のお母さん。次のアン・ブーリンは、エリザベス一世のお母さん。三人目のジェーン・シーモアは、エドワード六世のお母さん。次のアン・オブ・クレーブスは、ベルク公国から嫁入り。その次は、キャサリン・ハワード。最後の王妃は、キャサリン・パー。

 ドラマを観ていると、この王様がけっして漁色家ではなかったとはいわないけれど、6回の婚姻と5回の別離の陰には、男子の後継者の確保と宗教改革及びその反動が厳然と聳え立つ山のように存在していたことがわかる。チューダー朝の存立基盤はとても強固とは言いがたく、たとえばプランタジネット家の最後の生き残りの貴婦人の息子がローマで枢機卿に叙せられて教皇側の大宣伝に利用されたりする。処刑されるその貴婦人は、のちのメアリー一世の名付け親兼ガヴァネスでもあったのに。

 ドラマはもとより脚色されたものだが、500年かそこら前の自分たちの国の君主の行跡について、こんなに長いドラマにできるのは、まあ、なんだかなあ。