ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

筑前煮を炊いた

 あいかわらず食欲は低調で、乾燥した空気に咳き込んでも胃がせり上げてくるようで苦しい。しかし、炭水化物を摂らずに放置しておくと、そのうちあまり慣れていない種類の頭痛に襲われるので、胃をさすりさすり、こともあろうに生の食パンを口にしていた。

 きょうは、夕食のために筑前煮を用意した。干し椎茸、牛蒡、蓮根、人参、筍の水煮、蒟蒻、鶏のむね肉を椎茸の戻し汁ベースの出汁で煮る。この手の煮物は、オリジン弁当さんなどで買うと、いまは100gで180円くらいなのかな。とにかくそういう売り物の惣菜をあえて意識して作ってみた。塩気は若干少なめだ。みんながとりあえずは納得できるとしてお金を払って食べている惣菜屋さんやファミリーレストラン、牛丼チェーンの調理師の人は、やっぱりすごいと思う。

 蔬菜や根菜を煮て家族の、あるいは自分ひとりの食事を調えることのような、時間も手間も余計にかかる、一見非合理的な営みが、住居や住所地からの退去という事態にあっては、一方的に奪われてしまう。長く使っていた台所の、鍋や皿やコップから引き剥がされた皆の悲嘆を思う。

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甘夏