ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

はや重陽を迎えけり

 月と日が重なる陽の数の日として、1月1日から9月9日まで、1年には5回の重陽があるけれど、その窮みとなる9月の重陽には、古来、菊酒を飲むとか、高いところに登るとか、そういう生命や係累を大切にする習慣があったようで。菊とか、夏の間は育てるのは難しそうなのに、旧暦はともかくいまどきの暦の9月にはまだ揃えにくいと思う。高いところというのも、東京タワーとかスカイツリーとかが、自宅のあるフロアから見えるとそれほどの非日常性はない。医療水準が高くなくて、村境や国境の峠などには大勢うち揃ってそうそうは出掛けなかった昔ならば、菊酒も登高の習慣もなんとなくわかる。年を重ねても元気でいられるように、身内の人々も病気をせずに冬を越せるように、それが、大昔の人たちのひたむきな願いだったのだろう。富貴を求めることも、身の安全と体の丈夫さを保障するための富であり身分の高さであるとしたら、そのあたりも朧気ながら理解できるかも。

 

 『登高』という詩を高校時代に読みましたね。