ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

髪をやや長めにセルフカットした

 わたしの髪は、周期長めの巻き毛で、油断すると髪の途中で絡まって梳きにくい部分がすぐに形成される。わたしは、この梳きにくい部分を「たぬき」と呼んで、ヘアブラシ、黄楊の梳き櫛、その他の櫛を駆使して、量を小さくすることに努めてきた。梳けばたしかにまっすぐにはなる。その代わり、昨今、「たぬき」の下流の毛先方向に力が掛かることによって、かなり多量の髪の毛が梳けば梳くほど抜けて戦列を離れていく現象がとみに顕著となった。背中の真ん中から下に当たる部分の髪は、本当に少ないものであった。

 この髪をいつかは一旦長めに切ってしまって、またそこから伸ばすしかないのではないかと、一昨年の晩秋ごろから考えるようになってはいた。髪を切るには、理美容室にいくのが順当だろうが、ここでひとつ問題があって、以前、病気の症状が出てブラッシングが不十分で「たぬき」が生じたとき、『大丈夫、梳かせます。』と請け合った理容師によって地獄の10分間を過ごしたのち、「ああ、やっぱり無理。切りましょう。」と鮮やかに方針転換された記憶が理美容室でお願いするという行為からわたしを引き留めていた。

 結局、自分で切ることにした。髪を午後早いうちに洗って完全に乾かし、「たぬき」が出来ている場所より上を括り、それを2つ作って、括った場所を鋏でそろそろと切っていった。頭髪の約2分の1ずつなので、ひとつの毛の束が少なくとも何千本かはあるだろうに、わりと素直に切られてくれた。切った髪は、まっすぐでもないしカラートリートメント剤を使っていたりするので、ヘアドネーションに出せる品質ともおもわないけれども、そのままゴミ箱に直行させるのも不憫なので、オイルヒーターの上のタオルに掛けて一晩さらに乾かした(髪は濡れたまま保存すると変質するらしい。)。どちらも最長70センチぐらいはある。真っ直ぐで自分でも惚れ惚れするほどの髪質だったら、文化財の修復に使う刷毛の原材料にしてもらえたかもしれないのにと思う。

 というわけで、肩にかかる程度のワンレングスになったので、これからしばらくシャンプーらくらくだ。