35歳の少女小説家と15歳の女子高生(同居の原因となる彼女の両親が死亡した事故当時は中学3年生。)との共同生活を綴ったこの作品も3巻目がリリース。このふたりは、はたして実の叔母と姪なのだろうかと疑わせるひっかかりが1カ所か2カ所。最初の巻に出てきた、小説家の母で女子高生の祖母のように思われた老婦人が女子高生のふたおやの葬儀のあと、現れていない。遺体の確認を女子高生にさせたというから、祖母ではないのかと思うけれども、「わたしだって年金暮らしだし」といぼやきが出るあたり、女子高生を手元に引き取ることを想定してのものなので、たぶん、ばあちゃんなのだろう。
女子高生が死んでしまった母親と、その妹である少女小説家の間をぶらぶら揺れている。姉妹というには、いや、姉妹であるからこそ、このふたりは違いすぎるのだ。母に慣れて育った女子高生にとって、叔母の家は、もはや違う国。だから「違国日記」なのだろうけど、もし、槇生(少女小説家)の出身校が品川女子学院だったら、それはそれでいい。