済州島の常民の三男に生まれた金俊平の一代記であり、彼と関わった多くの男女のそれぞれの生の軌跡の記録でもある。金俊平は、現代の尺度でいえば、虞犯者であり現実に犯罪者であり、倫理的にはいかなる物差しをもってしても、かれは許される範囲には属しない。では、どのように生きれば、太平洋戦争前に鮨詰めの汽船で済州島から大阪に身ひとつでやってきた朝鮮人の命を「正しく」全う出来るのかと聞かれれば、金俊平の老年に、彼のために決断を下した高老人の選択をみてもこたえは簡単ではない。つまり、どちらを向いても八方塞がりで、碌な結果などもとより選びようがないのだ。苛酷な条件のもとで、金俊平がそのときどきに行ってきた決断が、たとえ刹那的な欲望に根ざしていたとしても、少なくとも多少の情状酌量は得られるのではないだろうか。
梁石日『血と骨』、やっと読了しそうなんだけど、 #彼氏あるある 満載しすぎて、頭の中で読んだ分の処理がまったく追いつかない。あと、「親父さん」が「親っさん」で、「おっさん」なんだと理解した。
— pyonthebunny (@ae_pyonpyon21_j) 2019年7月31日