ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

三回目のデートで選ぶ料理屋のこと

 

男女で食事に行く時、店選びでギャップが生じるのは「ええ感じのお店をリサーチ&ストックする」という習慣がない人がいるから?

同じ東京でも、明治30年/昭和22年なら、ふつうのおうちの人/お金持ちとかなら、どんなところでデートでごはんを食べていたのか。どんな取り合わせでも、きっと精養軒などは出てくるだろう。

2022/06/02 16:05

 今回、弊社としては珍しく、もとのトゥギャッター記事を読んでいない。その上で、あえてはてなブックマークを付したのは、ヘテロセクシャルの恋愛に限らず、「ええ感じのお店」を選び続けてデートを繰り返し、それなりの出費を重ねる行為を含む一連のデート行動が、この令和においては、恋愛(結婚)市場への参入障壁となっていると感じたからである。

 ここでいう「ええ感じのお店」の、東京圏における客単価は、昼と夜とで最低幾らくらいだろう。すぐれてコストパフォーマンスがよいとされるごく一部の店のそのまた一部のプランを除いては、アルコール抜きで、たとえば昼5k円の、夜15k円くらいだろうか。ふたりぶんで、昼10k円、夜30k円。これにアルコール代金や、サービス料などが可算される。そのデートを月に夜1回、昼1回催行するとして、食事代だけで月に40k円かかる。1年で約500k円。これを両者でどのように分担するかはまた別の話になるが、デートでの月2回の食事が、1ヶ月のその他の食費と同じくらいかかるのは、比較的若い世代のデートダイナースにとっては、相当きついことだろう。食べるほかにも、着るもの住むところ、勉強もすれば借りていれば奨学金の返済もあるし、たまには親にもプレゼントあげるだろうし。

 昭和末期平成初頭のバブルの時代、デートで男性が女性を連れて行く店、食べさせる料理について、わりと身も蓋もない生物学的説明が施されることもあった。その平成が終わろうとしたころにも、最初からn回目のデートで、客単価の安い店を提案されるわが身を嘆く女性のツイートがしばしばネットを騒がせた。自分に掛けられる金額の高さが、自分の値打ちを示し、だから、自分に少ない金で贖える食物を与える異性は、その程度にしか自分の価値を認めていないと思えばこその悲嘆である。それを一概に浅はかであるとは思わないけれども。ともかく、わたしの持論である、「好きなひとと一緒なら、たとえ牛丼を注文してから平らげるまでの10分間だって幸せなデート」というのは、つねに同性の受けが悪い。

 いずれにしても、デートで誘う店、それも一回目、二回目とリサーチとアジャストを繰り返して三回目のデートで行こうかという店選びというのは、身の丈との釣り合いを考えて、いつの時代も塩っぱい問題だなあ。

 

 いわゆる「サバ女戦略」は、逆効果にはたらくことが多いけど、はじめの目の付けどころは間違っていなかったことがわかる。