ぴょん記

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『ガーンジー島の読書会の秘密』

 30日金曜日に封切られた映画はどれも興味深いものだけれど、そのなかからこれを選んで。第二次世界大戦中、フランス本国全土を手中に収めたナチスドイツがイギリス領チャネル諸島に属するガーンジー島にまで進駐してきた当時の住民の生活が主なテーマ。

 成年男子の多くは徴兵で家を離れ、そして子どもたちはイギリス本土へ疎開して、島には、女と、老いたり障りのあったりする男が残されている。食糧は徴発され、密告が奨励された結果、島民のこころも分断される。そのような暗い暮らしの一隅を照らす若い女性……あれ、この人、どこかで見たような。それから「この人」も。

 わたしは、劇中に出てくる見事なカットの大粒のダイヤモンド、その出所について考えざるを得ない。あれは、アメリカ本土から「彼」が取り寄せたものなのか。それとも、アムステルダムの商人が正規に扱った品なのか。はたまた、南米に逃げる途中の大陸人が、戦中に没収した財産のうちのとっておきを手放したもののなれの果てなのか。

 戦時中、トート機関というドイツの土木事業組織が、奴隷労働の捕虜や被徴用者らを使って、島の浜辺に対艦砲のための大きな砲台を築く。それは、フランス、オランダ、ベルギーの沿岸にドイツが設けた、大西洋の壁の一部を構成するもので、戦争が終わってドイツ軍が引き揚げたあとものどかな陽光に晒されている。

 上映前に満席のアナウンスがあったけど、実に反応のよいお客さんたちで、観ていて楽しかった。『刑事フォイル』のファンなら、特にお勧めだし、『ダウントン・アビー』好きも十分楽しめる(キャストの面で。)!

dokushokai-movie.com

「たいそう羽振りのええ東京の金持ちのぼんが、京都の老舗のお嬢さんに惚れて惚れて求婚しはったけど、山奥で在来種の野菜つくってる男に見返られた話かいな。」などといっては、あまりにかわいそう。