ただし、アマゾンプライムで。しかも、自分の机の上のノートPCで視聴するのだから、当然、手には編み物。
『悪と仮面のルール』は、中村文則の原作を2014年の初夏に読んだ。救いようのない父とか異母兄とか出てきて、主人公は、少年時代の、唯一清らかな思い出のために右往左往する。劇場で観たかったけれど、とても寒い時期で、しかもTOHOシネマズでは上映されていなかったので見逃したままになっていた。玉木宏と新木優子が、ほぼ同い年のきょうだい、というのは、どうなんだろうか。
『イン・ザ・プール』は、原作はきちんとあるのに、松尾スズキの破壊力で、彼が出ていないシーンまでむりやり回してしまっている作品。オダギリジョーや真木よう子はあまりに若すぎて、あとからきっとあれがそうだったのだろうと思ったくらい。
『勝手にふるえてろ』は、松岡茉優が観たくて。こんなに人目を引く若い女がきょろきょろしているのに、会社の中での飲み会でも、地元の同窓会でも、タワーマンションの飲み会でも、壁の花めいて、意中の、10年間片思いを続けていた男からは名さえ尋ねられない。そんなことって、フィクションの中以外ではあり得ない。しかし、映像作品では、じつにしばしば発生する怪現象である。
おしまいは、『復活の日』。1980年の作品で、すでに何回も観たし、原作も3回は読んでいる。デジタルリマスター版かもしれないが、画面が見やすくなって、しかも、字幕のフォントが丸く大きくなったのではないか。主人公吉住の恋人だった看護師訳の多岐川裕美の演技が昭和後期ふうで、睡眠薬をもって友人の子を連れて白衣のまま、モーターボートで南極を目指す、という演出が外国ではどう評価されたのだろうか。