ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

全米最古の公立病院のドラマ

 今期も、WOWOWで、『ニュー・アムステルダム4』の日本語吹替版を観ている。「医療ディレクター」という役職について、理事会からの委任を受け、病院全体の業務を統括するマックスは、最初のシーズンでは難しい病気に罹患して間もなく最初のこどもも生まれるのにどうしようという状態だった。それから、現実のCOVID-19の感染症蔓延をドラマに取り込んで、主要登場人物である医療スタッフの人生の有為転変も激しく、第4シーズンでは、マックスは、新しい人生を始めようとしているけれども、いまや第二のふるさとになった全米最古の公立病院が、改革の嵐にもみくちゃにされて、とうとう大規模な人員整理が行われた……

 マックスらがおもに予算面で交渉するけれどもなかなか首を縦に振らない「ヘルスケア委員会」というのは、きっとニューヨーク市政庁の中に置かれた行政委員会なのだろう。よい医療を提供して、ひとりでも多くの患者の苦痛を和らげようとする医師たちの努力は、経済的な壁の前にいつも挫かれがちだ。何度、マックスが、「ここは、公立病院だから!お金のあるなしで命の重さに差を付けることはしない」と言っても、いろんな事情を抱えた患者がERに運び込まれてきたときには、かなりの頻度で症状が進んでいることが起きるし、医療資源の制約を受けることも多々ある。

 医療ドラマは、たくさんある。わたしは、日本の医療ドラマは殆どみていないが、お金のある病院でも、お金のない病院でも、お医者さんたちは、文字通り身を粉にして働いて、目の前の命を救おうとしている。それは、とても貴いことだ。ドラマであっても、そうした無私の行いをみるとき、こころははだかになる。