ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

ヤマシタトモコさんの『違国日記』連載完結

 ヤマシタトモコさんには、『ひばりの朝』という作品がある。2巻で完結したもので、比較的短くはあるが、出てくる大人出てくる大人許せない感じで、翻ってみると自分もそういう感じの大人ではあるのでやりきれなさが倍増するというおそろしいお話だ。

 『違国日記』は、8月発売予定の第11巻までの長さになった。少女小説家がほとんど行き来のなかった姪を引き取る。作中では、姪が、両親の死や自分の内と外とを把握する中3の終わりから高3までの約2年数ヶ月が描かれている。主人公と確執のあった姪の母である姉をはじめとして、人生に大きく躓いた経験のある人、自覚する欠落ゆえに前に進もうとする人、それぞれ大人になっていく姪の同級生たちなど、人間の旨みがゆっくりと滲み出てくる話の運びは、一巻の絵巻を眺めるような心地がする。

 来年には、新垣結衣さん主演で実写映画が公開されるようだ。