ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

魏さんの梅冷やし中華

 四条烏丸から西に進んで上がった、六角通を少し下がったあたりのホテルに、以前はよく宿泊していた。その比較的小体なホテルのレストランには、朝食のブッフェがあった。昼食や夕食の提供もあるにはあったが、昼は麺類と簡単な会席料理、夜は鍋物数種で選択肢が少なかった。「あった」「少なかった」と書くのには理由があって、ホテル自体は現在でも営業しているけれども、そのレストラン自体は撤退して、現在は直営かそうでなければ別の法人が運営する食堂が入っているらしい。

 だから、当時、朝食はホテル内で取っていたが、昼と夜はデパート地下などで買ったお弁当を部屋で広げたり、あるいは、外に出掛けていたりした。三条会商店街のわりと入り口にある魏飯夷堂さんにも何回か入った。

 京都の中華は、和食の洗練された出汁に舌の慣れた地元の人に受け容れられるべく、素材はもとより調理法に工夫を凝らしたものだとはよくいわれる。魏さんもその流れを汲むと、「京いちにち」などでは紹介されるが、わたしは、魏さんのご出身の横浜の中華料理も、京都から比較的近い神戸の中華料理も、それほど食べた経験がないのでなにがどうですねと軽々に書くことは難しい。あえていうならば、しばしば通っていたお茶の水総評会館近くの刀削麺の店、あの西安料理を日本人の舌に合うようにまろやかにしたものに通じる、気遣いを感じる一品料理が、三条会の魏飯夷堂では手早く並べられていた。

 それはそうなんだけど、今回の「梅冷やし中華」は、ちょっとすごかった。

 なにがすごかったかといえば、使用する調味料の量だ。とくに、2人分で50gを使用する砂糖。1人前25gで、人数分を秤で量るとき、いつもの圧力鍋プリン2回分じゃないかと気づく。しかし、とりあえずはレシピ通りに作ってみる。砂糖がこんなに多めなのは、梅肉の量が多いためだ。調味料として、1人分20g、トッピングとして、同10g。ふだん朝食の配膳で使っているチューブ入りの梅肉が1本100gで、今回は自家製の梅干しの種をとって実を出し種をとって実を出し、果肉のついた種はいつか鰯を煮る日のために冷凍庫にしまって、実をようやく人数分確保した。中粒の梅干し20個弱だったろうか。

出来上がりは、こんな感じでした

 レシピには、ハムではなく市販品のサラダチキンをスライスして載せる、とあったが、皮なしの鶏むね肉が1枚あったので、昼下がりに棒々鶏にして冷ましておいた。オクラとコーンは、なかったので省いた。芝麻醤は、白練り胡麻で代用。こんな感じで、なにもかもがレシピ通りというわけにはいかなかった、調味料と製法は、ほぼ放送で紹介された通り。とてもおいしかった。

 番組のホームページでレシピが公開されたら貼るかもしれません。先にも書いたように、レシピ通りはとても美味だったけど、梅干しの塩分と、酸味を和らげるための砂糖が多めだったので、次回は酢を増やすかわりに梅肉と砂糖を調整すると思います。