ロースカツ定食とヒレカツ定食しかないとんかつ屋さんの昼時などなら、味噌汁とごはんを先にどん!と出されて、漬物でぼそぼそ食べ始めたタイミングでキャベツとカツが追いかけてくるから、それはそれで問題ないです。
— pyonthebunny (@ae_pyonpyon21_j) 2023年6月4日
むかし、立ち回り先の近所に、「いもや」さんという屋号のとんかつ屋さんがあった。同じ屋号の天ぷら屋さんもあったので、神田神保町界隈に詳しい人ならば、たちどころにふたつの旧店舗を思い出すことだろう。手早くおいしいものを食べられるので、当時は、相当程度頻回寄らせていただいた。品が出てくるのが早い、食べるのにも時間が掛からないという点でいえば、その付近では坂の上と下とビルの中に1店舗ずつ展開していた小諸そばさんもよかった。ともかく、とんかつに特化すると、足が向くのはなんといっても「いもや」さんだった。
それより以前、神田全域とその周辺で用事のある生活を送っていたときには、土曜日の午後、休日出勤の夫と落ち合って、リージョナルマガジン「Hanako」等で紹介されていた神田お茶の水界隈のラーメン店を回っていた。自分が、麺も多くスープにもしっかりと塩と脂の含まれたラーメンをともかくもぺろりと平らげていたことをいまでは懐かしく思い出すが、当時は、チャーシューといえばラーメン店で食べるものであって、家で焼くものではなかった。刀削麺の店、台湾小皿料理の店なども寄ったが、食事を残すということは、まず考えられなかった。
さて、「いもや」さんのとんかつが懐かしくて、火曜は、とんかつヒレカツささみカツと刻んだキャベツを買ってきてもらった。目の前でロース肉の塊を大きな包丁で切り出して素早く衣を付けて新鮮かつ大量の油で揚げる、ちょっとした鉄火場の趣すらあったあの白いカウンターを思い出しながら、電子レンジで温め直したスーパーのお惣菜を年齢に応じた緩慢さで、ゆっくりと咀嚼したことであるよ。