ぴょん記

上古文学、外国語、数学、調理、編みもの、縫いもの、競争法

毎月28日のお楽しみ

 小学館月刊flowersが安定して雑誌発売日当日のKindle配信をしてくれているので、うちが廃棄する古紙が月に数百グラム少なくなった。大好きな岩本ナオさんの『マロニエ王国の七人の騎士』は、この雑誌で隔月連載なのだけど、単行本が出るまでは雑誌の掲載頁をカッターで切り取って袋に入れてしばしば読み返していたのを、月刊flowersKindle版で買うようになってからは、その作業がなくなった。

 岩本ナオさんという、いまも十分に若い作家の作品の、いったいどこが一番好きかと問われると、登場人物の不完全さと、不屈不撓の姿勢だろうか。たとえば、『町でうわさの天狗の子』のヒロイン秋姫は、天狗のお父さんと人間のお母さんとの間のハーフで、並外れた力持ちであるにもかかわらず、ひとりの女子高生としてのコンプレックスに加えて、この先、自分の身がどのように変化していくのか誰にも分からないという大きな不安を抱えている。どきどきぐちゃーっと壊れてどろーっと溶けてしまう彼女だけど、いざというときには凜々しく立ち上がる。『金の国水の国』の王女さまサーラも、内気で恥ずかしがり屋だけど、好きな男を本気の仕事に送り出すときのセリフは惚れ惚れするほど立派である。

 ところで、4月10日にマロニエの3巻と一緒に出される記念本に、天狗の連載時の扉絵は収録されるのかしら。いろいろな設定で、この作家の引き出しの多さを感じさせてすごく好きだったのだけど。