ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

昨夜、寝不足で/『きのう何食べた?』

 宵の口に2時間ほど眠って、また寝直そうとしたけれど、結局、朝の5時半まで寝付けなかった。冷蔵庫でよく冷やした、途中、よく熟れたトマトを半分にして蔕を取り、粗塩をじんわりと切り口に振りかけて流し台の前で立ったまま食べたりした。芥川の遺作を読み、鷗外の、この作家にしては入り組んだ作品を繙いてみても眠気はやってこなかった。こういうとき、茶漬けの一杯もさらさらと掻き込んでまた歯を磨けば、わたしは眠れるという強い確信があるけれど、だからといって強いて茶漬けが食べたいわけでもないからそれはしない。6時半になって目覚ましが鳴り、平日の主婦の定時を報せたあとは、直近で1時間しか眠っていない頭をふりふり台所に立った。

 先日の「根も葉もない噂を立てられたらどうしましょう」問題について、今市子百鬼夜行抄』には、積極的な方向への解決策が示されている。具体的にいえば以下の通りだ。まず、主人公・律の従姉が通学先の大学で心ないデマを流される。律は、その噂を聞いたという学生に電話を掛けて、それはデマであることをはっきりと言う。そして、それを誰から聞いたか尋ねる。そうやって芋蔓式にデマの源にたどり着いて従姉が大学に通えるように環境を調整する。じつは、ここまでうろ覚えで、この連載二十年を超えるものがたりの主人公の律は、ふだんはそれほどしっかりした行動をとらない。誰かそばに頼りになる人か妖魔がいたのかもしれない(もともとそういう怪異譚だらけの漫画である)。もっとも、いまとなっては、いくら同じ大学でも、見ず知らずの他人の電話番号など聞いても、容易に教えてもらうことはできないだろうが。

 自分のこどものためならば、あるいはこうした粘りをみせて誤解を解こうと努めるかもしれないけれど、自分自身のためだけならば、あの悪評は事実に反するのだと人に説明して回ることは、わたしは、しないだろうなあ。そばに励ましてくれる従弟や妖魔もいないし。そして、うわさばなしなんて、当事者以外にとっては、ただの消閑の具だもの。

 

きのう何食べた?(14) (モーニング KC)

きのう何食べた?(14) (モーニング KC)

 

 

 

きのう何食べた?(15) (モーニング KC)

きのう何食べた?(15) (モーニング KC)

 

  第1巻と第2巻がKindleで期間限定無料配信だったので、それを読んで、未読の第13巻と第14巻をKindleで購入した。第12巻まで、物理版で揃えていたのに。