ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『鎌倉殿の13人』第5回

 またもや梶原善さん演じる「善児」が暗躍する。新規プロジェクトや旅行、縁談が仲間割れを主たる原因とする失敗に終わるのは、ひとつひとつは小さな目的のずれや感情のすれ違い、利害の対立が見過ごされてきた結果であることが多いだろう。しかし、疲労から出たただひとたびの暴言もまた、旅の仲間の結束を壊す大きな要素となりうる。

 今回、伊豆の小豪族北条氏に擁された源頼朝が、旗色不利でお味方僅少の山中において、「来るのではなかった。」「お前達と組むのではなかった。」と、疲労と後悔、そして捕縛される恐怖に襲われて、時政、宗時、義時ら北条氏の前で正直ななまの感情を開陳する。いや、ぶちまける。わめく頼朝をみて、時政は、あっさりと、『あれは駄目な婿。かれの首を提げて(いやだけど)大庭に頭を下げれば俺たちのいのちは助かるだろう。』と、義時にいう。時政が薄情なわけでも、頼朝が無能なわけでもない。800年以上も昔の、河内源氏の御曹司と伊豆の小豪族の当主である。娘の政子を嫁がせたとはいえ、伊東の八重さんの例を見ても、頼朝を切り捨てることも場合によっては躊躇しないというのが時政の採りうる選択肢の一つなのだろう。

 三郎宗時は、頼朝を宥めるために、守本尊を取りに行こうと北条館へ引き返す。そこを伊東の家の子である善児に仕留められるわけだが、この暗殺指令を出したのが、母方の祖父である伊東祐親であるという無慚。愛之助さんの死に顔が、なんとも無念そうで、でも美しかったですね。

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わたしもオウサマペンギンですよ。