実家の仏壇に供える花は、菜園や庭の一部で菊のなかまを栽培したり、道の駅のような生産者直売のマーケットで買ったりする。
先日の夕方、ある大きな駅の周辺で翌朝に持参する仏様の花を調達しようとして、はたと足が止まった。たしかにその大きな駅のなかには立派な花屋さんが何軒もある。となりにしゃれたケーキ屋さんの販売ブースや雑貨店があるような商業ビルにテナントとして入っているお店だ。ここなら賃料月額坪幾ら掛け何坪で、保証料が24ヶ月分などと店を維持するための固定費をざっと計算する楽しみもきょうは繰り出せない。探しものがみつからないという、そぞろ悲しく、寂しい気分であった。仏様の花は、朝早くならもしかしたら少しは売っていたかもしれない。しかし、近所のホテルに入っているテナントも含めて皆、夕方には、影も形も見えない。
困った揚げ句、乗ったタクシーの運転手さんに伺ってみた。すると、もしかしたらここにあるかもと24時間営業のスーパーマーケットの前に一時停車してくださった。……あった。ありがたく、実際、とても助かったので、気持ちだけ、お礼をした(連れの人が。)。
その後、判明したことには、現在はわりと広い範囲で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで、仏様に供えるお花や樒などを商っているということだった。家の外に出ないから、都市部では花屋さんにいくしかないと思い込んでいた。
彼女は、東京スカイツリーの真下からうちにきました。