ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

ラベルの大切さを思い知った日

 6月の5日に付けたパープルキング(南高種の梅の一種)のシロップとサワー、そろそろ味見をしてもいいころかと、数日前にサワーの炭酸割りを後期高齢者に、シロップの炭酸割りをその他の家族に出した、と思い込んでいた。

 それは、夕食後のあたりのことで、暮れなずむ夕日の残照と近い色の梅の滴をコップにとくとくと注ぎ入れたまでは、よかった。

 シロップとサワーにはそれぞれわたしの手書きのラベルが貼ってあるけれど、どうにもシロップのほうでラベルを見た記憶がない。自分自身は味見に適した体調ではないから色味を見てそれぞれ試飲分を出したのだけど。

 なんと、家族のほうに出したシロップの炭酸割りと思い込んだものは、ブランデーで漬け込んだ梅酒の炭酸割りだった。我が輩いくらなんでもシロップと梅酒の違いは分かるにゃんよ、と最初は強気でいま飲んでいるのは梅酒説を否定していた家族だったけれども、一杯空けるあたりには、さすがに「やっぱりブランデーだったかもしれない」という感じで、ただ、わたしには、ノンアルコールのシロップと、アルコール度数40パーセントのブランデーを使った梅酒が、少なくとも嗅覚だけでは識別できない。

 飲めなくなるより先に、すっかり飲まなくなって、酒が気配からしてわからなくなった。