ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

漱石のジャム

 うちの近所にもカルディという食料品店があって、その最寄の店ではないけれど、やはりカルディのある店舗で、家族が濃縮の液体紅茶というか加糖紅茶抽出液のようなものを買ってきて炭酸水で割って一週間おいしそうに飲んでいた。それは和歌山の会社が出しているものだけど、カルディには国の内外から集められた、おいしくてほどほどの値段のものが雑貨のドンキホーテや本屋のビレッジヴァンガードのようにたくさん積まれている。それにつけても思い出すのは、明治屋のきりりとした品揃えで、好ましいとは思うものの、残念ながら京橋の店にも銀座のにももう何年も寄っていない(デパートの地下食料品売り場に本人が食べられちゃっているからだ)。青山の紀伊國屋のほうはよくわからないけど、明治屋なら少しはわかる。売り物はかなり吟味した上で店出ししているので、高いことは高いが、それなりによいものだし、稀に舌に合わないという意味でよろしうないときにも買ったり貰ったりした人を機嫌悪くはしない分別が品物に備わっている。NHKの「ごちそうさん」で、大正の初年くらいにいまの東京大学農学部の試験場で苺の栽培を云々という描写があって、漱石の家で主人や妻女、娘たちがさかんに食べて月に幾缶も空になっていたというなら、そのジャムは国産なのかな舶来なのかなというと、もしかしたらそれは海を渡ってきた輸入品かも。

アヲハタ|ジャムマガジン|ジャムはじめて物語

 ハロッズとかキャンベルとか、そういう有名な食料品に用いられているラベルのデザインは品物の特性を強く印象づける力に満ちて素晴らしいと思うけれども、それは翻ってまあ大概の人は(自分と同様に)おいしくないとは思わないわなあという安心感に通じるのだろう。鼓月、満月、とらやにたねや阿闍梨餅の粒あんなのはどうもという人はいるけれど、これらの味に正面切って文句をいうのはなかなか。

 少し戻ってジャムの話が出たついでにパンのこと。日光の金谷ホテルバゲット、都内では神楽坂の店か上野松坂屋のほかは通販もされているけれど、これがかなり意外なおいしさだった。

 台所からは以上です。

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サイドを編み終わってブリムに移る

 ※ このペンギンは、「カサイ」であって、「おたる」ではない。