ぴょん記

上古文学、外国語、数学、調理、編みもの、縫いもの、競争法

おかあちゃんたちの戦勝記念日

 お料理が面倒なわけでも誰が苦手ちゅうわけでもないんやけど、と、おかあちゃんがひとりごちながら台所に立っていた。ふんふん、と僕が軽く相槌を打つと、びくっと小さく肩をふるわせて、あらあんたおったんやったらはよいうて、と笑わはった。僕は、踏み台に立って流しで手を洗い、野菜の下拵えぐらい手伝うえといって、おおきに、ほな、と豆の筋取りやら人参やじゃがいもの皮むきをいいつかった。よっしゃ得意なやつやで。おかあちゃんは結局、豆御飯とポテトグラタン、あとは「オードブル」ゆうのをこさえたんやけど、僕は生の野菜しか基本的に受け付けんから、大原からトロ箱で貰うてきた大量の間引き菜をよう水で濯いだのを皿に山盛りにして端から平らげた。旨かった。僕の友達の山田や田中、中田に吉田も夕食にきたから賑やかやったし、おかあちゃんもよう笑うてはったけど、寄る年波やどうしても疲れは隠せへん。

 四月末から五月の上旬にかけての大型連休は、夏休みとはまた別の意味で、日本のおかあちゃんたち(便宜上、こう呼ぶけど、子も孫もおらんでも、また、男の人でもまったく構わんと思うよ。)には、ある意味、過酷な毎日だ。出掛けたり出掛けんかったり、また同じ出掛けるにしても日帰りやったり泊まりがけやったりいろいろあるけど、出掛けるんやったらその仕度、おうちにおるなら三度のご飯やおやつの準備と後片付けに、大なり小なり家計を回すおかあちゃんたちは、それなりに普段よりは余計に気を配っておるんよ。これが過ぎたら夏休みまで2か月間ほぼノンストップでふだんの学校やお勤めやらお祭りの仕度やらで毎日埋め尽くされるわけやから、せめてゴールデンウィークだけでも家族にゆっくりしてほしいと思うから、おかあちゃんたちは、褻の食事よりは少々気張ったごちそうを出したり出さんかったりして、まあとにかく前の食事のお皿を布巾で拭いてしまったら、次のごはんの下拵え始めるくらいの勢いでくるくる立ち働いてはんねん。僕の同級生のおうち、半分くらいはそんな感じ。一軒家でも、マンションでもアパートでも。

 

 今朝、僕は学校の授業が3限からやったので(前の年度に中3やったのがなんでいま大学生なんかという辺りはこんど説明させて。)、二階の窓から、出勤するおとうちゃんを見送ってそのまま庭で物干しするおかあちゃんを見ていたら、なんか晴れ晴れとした表情でにやにやしていたんや。あれは、きっと玄関に鍵かけて呼び鈴のスイッチ切って昼寝する気まんまんや。せやし、僕も早めに大学いったろ。お疲れさま、おかあちゃんたち。

 

※ 18日にピーターラビットさん、封切りやで。

www.peterrabbit-movie.jp

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