ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

階級の崖を登攀する者たち

 NHK大河ドラマの原作でもある堺屋太一峠の群像』。徳川五代将軍綱吉の治める江戸の街を、のちには日本中をも震撼させたいわゆる忠臣蔵事件が、経済戦争の側面をもつことを描いたこの作品では、吉良上野介は、席の温まる間もなくあちらこちらへ顔を出して高家筆頭の職を得て、妻の実家である大藩上杉家に子を送り込み、それだけではなお飽き足りず、孜々として日夜働く職業人として描かれている。経済官僚でもあった堺屋は吉良のことをあえてソーシャルクライマーと呼ぶ。武家の名族でありながら、有職故実に通じ、京の公家衆との儀典関係の折衝も滑らかに行う、その職能は、しかし、石高を目安とする諸大名家の間ではさほど高く評価されず、また、位階については伝奏に関わる京都の貴族に遠く及ばない。ゆえに、実子を上杉家の藩主に据え、孫を吉良家の跡取りとして迎えようとする。すべては、吉良という血筋の格を高めるために。

 はたして、それは、間違ったことなのか。

 

『「育ちがいい人」だけが知っていること』が売れる社会に逃げ場なし - シロクマの屑籠

こういう本が売れている間は、「育ちがいい人」に見られたいという願望ないし上昇志向に溢れたマーケットが存在するのでしょう。興味深い。

2020/10/01 13:24

  ある種のマナー本を読むことでその人の箸使いや言葉遣いが周りの人にとって、さらにめやすきもの、もっと心地よいものになれば、それだけでよいと思う。わたしも、もう人生終わりそうな感じだけど、手習いのひとつでも始めようかと思っているほどだ。ただし、本気で階級なり階層なりをよじ登ろうとするならば、板垣巴留BEASTARS』に出てきた、怖がられる容貌をなんとかするために牙抜いたりあれこれお直ししたライオンの市長くらい、血の滲む努力が必要だ。それで上がった先に、自分が求めるものがあるという保証はどこにもないのに。

 それでも、という人に、どうぞ、幸運を!

 

お嬢さまことば速修講座

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