歴史上の人物に取材した漫画の新刊が2冊リリース。まず、『雪花の虎』第10巻。こちらは最終巻で、第四次川中島の合戦を中心に、上杉謙信のその後についても描いていた。「大虫」って正確にはなんだったのだろう。
それから、空海と最澄の人生を綴っている『阿吽』第13巻。同時代に、このふたりが密教を広めるためにそれぞれの生涯を費やしたという事実は、密教そのもののために、また、その土壌となる日本の社会のためにどのように影響したのか。唐朝の衰退を経由した空間的時間的流転の果てに、修学旅行で根本中堂を拝し、お遍路さんとして札所を巡る、暮らしのあちらこちらに密教の見え隠れする日本の現在が出来上がったのも不思議なことである。