ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

小豆煮て秋の夜、更けゆく

 ゆうべ、夕食が済んでから台所を片付けつつ、小豆を煮た。小豆は、大豆などと異なり、一晩水に浸けておく必要はない。一度茹でこぼして、それから赤飯用なら30分、ぜんざいなどなら90分、それぞれ弱火で煮ればよい。今回、わたしは圧力鍋を使ったので、小豆は、茹でこぼし後、加圧10分の自然放置で火が通った。

 そのあと、煮詰めながら砂糖を3回に分けて加えて、小豆のおおいぜんざいになった。小さな丸餅をひとつずつ、グリルで焼いて、塩昆布を添えて食べた。このごろ、にわかに胃腸が弱って、朝も昼も食べられなかったりしていたが、餅入りぜんざいは、ぺろりと平らげられた。山の狸の血筋がそうさせるのだろうか。わたしには、芋や豆がごちそうである。

今週のお題「読書の秋」

 山本周五郎『晩秋』は、ごく最近、青空文庫に収録された作品だ。同文庫の入力と校正等の作業を担ってくださっている皆様、ありがとうございます。

 「お預け」とは、武家の家中で何事か事件が発生した際、当事者の近親が有力な上士のうちに身柄を引き取られることをいうらしい。山本周五郎の『樅ノ木は残った』でも、上意討ちによって両親を喪った姉弟重臣原田甲斐のうちへ預けられる。姉は、甲斐の国許で、家族未満腰元以上の感じで家の中のことを手伝っている。弟は、仏道修行をさせて父母の菩提を弔わせたほうがいいだろうと、幼くして進路を決められる。『晩秋』でも、佞臣を暗殺しようとして果たせず、切腹を命じられた藩士の娘が、他家にお預けにされている。その家は、おそらく仕える侍や召使いもかなりいるような大きな家なのだろう、主人公の「都留」は、預けられて2年経ってはじめて、その家の当主に呼び出される。

 都留は、権力を失って捕らえられた「佞臣」の世話係を命じられる。小さな別業で、少人数で「佞臣」を囲んで暮らして、やがて来るであろうお沙汰を待つのだ。かれは都留にとっては、親の仇。好機とばかりに母の形見の懐剣を握りしめる。しかし、冬に向かう屋敷の中で彼女が目にしたものは。

 

Chopin: Waltzes

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