年末年始の食料調達を計画的に行ったつもりだったのに、なぜか大根が2本ほど「す」が入る直前までの比較的長期にわたって滞留していた。それを水曜は人参と一緒に1本の半分、ポトフらしく煮て、残りを木曜の朝から大鍋でおでんに仕立てた。蒟蒻も、いつもの1枚を6分割を8分割にしてしおらしく1枚だけ使っていたけれど、途中からどうにも少ないと気付いてもう1枚、8分割にして鍋に参加させる。卵も5個。
写真は、煮始めて1時間経たないころなので、大根の色も淡い。これに薄口醤油を回しかけ、最後の仕上げで濃口醤油も大さじ2ほど香りづけのつもりで加える。すると、やっと大根がいい色になる。
鍋の底には日高昆布の15センチくらいのを敷いて、これに水2リットル弱と一度軽く茹でた大根を入れて、弱火で加熱しながら具や調味料を足していく。日高昆布は、年末に佐藤水産で90gで税込1600円のを買った。これが今年の年末まである。というのは、ふだんの出汁は昆布や鯖、煎り子の削り節が紙パックに入ったのや、もっと簡易に液体や顆粒になっているものを用いるので、昆布は大根を大量に煮るおでんのようなものでないと出番がないからだ。
この昆布とは、3日目ぐらいにくたくたに煮られた姿で再会する。それを菜箸や料理鋏で切っておかずにするのもおいしい。
写真の真ん中に出汁の紙パックが浮かんでいるのは、この「魚屋さんのおでんセット」には、どれにも出汁の紙パックと調味料の小袋が付いているからで、入っているものはどれもありがたく使わせてもらうことにしている。
大きな練りからしのチューブがあると、ポテトサラダなどにも遠慮なく加えられるので心強い。
青空文庫で、山本周五郎『樅ノ木は残った』を読み終わった。羽海野チカ『ハチミツとクローバー』について、冗談交じりで「いま、ハチクロを再履修しているところ。」などというけれども、樅ノ木も再々履修だ。ずっと世間知らずに生きていると自分のことは思っているけれど、それでも学生のときに読んだとき、次に読んだときとまた違ったものを、この60年前に日本経済新聞に連載された小説から読み取ったと思う。