ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

郵便局の窓口で両替ができなかったから

 同居の年寄りの地元で、今月に入ってから不幸があった。八月に初盆の供養を営む土地なので、人々は、自家の墓掃除や墓参り、初盆のお参りと、この新しい物故者の通夜と葬儀に忙しかろう。うちに逗留の年寄りもまた、御霊前を郵便にて送りたいというがそれについては懇意の人がいち早く立て替えて供えてくださった。その立替分をお返しするべく、本日、わたしが、郵便局へ現金封筒を携えて出向いた。

 ほかにも数件、現金封筒で送金する件があったので、郵便局の緑色のほうの窓口で一万円札を五千円札に両替してください、と頼んだ。すると、貯金の引出分の一部又は全部を五千円札にすることは構わないが、窓口に持参した一万円をそのまま両替することは出来かねるということだった。それゆえ、この窓口でお金を引き出してくだされば、五千円札でお支払いしますよという、規範と当てはめという段階を踏んだ優等生的な返答だったが、ここで問題が。

 わたしが持参しているのは、引出しを委託された同居の年寄りの通帳であって、自分の口座はほぼ都銀にしかない。「ほぼ」というのは、生協の利用料金を引き落とすだけのために、生協指定の地方銀行に口座をひとつ開いたからだ。さて、郵便局の窓口では、通帳と、印鑑がないと、お金を引き出せない。そもそも、わたし、預金者本人ではないし。ところで、立替分返済につき、千円札5枚でも構わないかというと、そこは微妙だ。礼儀よりなにより、封筒から出したとき、一葉ひとりのほうが視認性が高いことはいわずもがなだ。

 わかりましたと力なく頷いて、わたしは、隣の赤い窓口に移った。郵便切手などを扱っている窓口だ。ここで、記念切手シート1枚を840円出して買う。払うのは、両替したかった一万円札で。それが入っていた封筒に自分の財布から千円札を1枚入れて、受け取ったお釣りのうち、160円は自分の小銭入れ、のこりの9000円は上記の封筒にしまう。この9000円に五千円札が一枚含まれていたので、なんとか用は足りた。

 それから、その五千円札を白い封筒に収めて、お礼をしたためた一筆箋と一緒に現金封筒にしまい、糊付けして、裏面の右の上と下とに捺印して。……ほかの現金封筒も揃えて、切手を買った赤い郵便の窓口から送る手続をしてもらった。現金封筒は、1枚21円するので、いつものように5枚だけ買っておこうと思ったが、ふと思い直して、10枚210円分、分けてもらった。21世紀も23年目になり、元号も令和になって5年目だけど、わたしは、こうしてきょうも現金書留でお金を遣り取りしています。

クリームあんみつ