ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

雨の朝になった

 夜明けが遅くなった。だから、雨だとわかっていて、わざと窓の外は見ないで雨音を聞きながら朝の炊事をしていた。前夜に炊いたサツマイモのごはんが多く残ったので炊飯はしないで、味噌汁、ポーチドエッグ、昼に回すミートソース、完熟バナナレスキューのバナナケーキと続けて調理していく。きのうときょう、皮を剥いた蕪が冷蔵庫にあったので、それを真っ先に切って出汁に落として煮ていく。蕪と豆腐と小松菜、これで彩りも美しい味噌汁になった。

 金曜の昼は、それまで冷蔵庫のチルド室で温存していた豚挽肉を放出してのオーブン料理になることがしばしばある。挽肉が多ければ肉団子にもなろうけど、最大で200gなので、玉葱とトマト缶を加えてミートソースにすることが多い。それを軽く炒めたごはんや手打ちのラザニア、きょうは茹でたペンネなどに載せてチーズと一緒にオーブンで焼く。リトルマーメイドという屋号のパン屋さんのチェーンの景品でもらった丸い器なら、嗜好が和食寄りな後期高齢者本人でも軽くぺろりと平らげられるからトマト味というのは不思議なものだ。倉橋由美子さんの「桂子さん」も、酷暑のころでもトマトベースのパスタなどならなんとか食べられるといっていたものね。

 パレスチナの現状をみて、『絶望するなら隅っこに寄って。まだ自分たちは諦めないし希望を捨てていないから。』という主旨のSNSの発信を目にした。そうだな。外野が諦めてどうする。中の人たちにとっては、毎分毎秒が逃れられない現実なんだから。

 WOWOWオンデマンドの配信で、『ヒトラーのための虐殺会議』を途切れ途切れ観た。

 

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 「疎開か断種かと選ばせたら、ユダヤ人たちは断種を選択するに違いない。」と、ワイマール共和国が育てた優れた知もあれば限定的とはいえ情もある高級官僚たちが「楽観的な」解決策に傾きつつあるところに、ナチスの高官が会議の突然の中断を宣言する。この1942年1月20日のヴァンゼー湖畔の会議では、この休憩後、その後のユダヤ人の運命に関する基本方針どころか、それに加えてかなり細かな決定までもが下されてしまう。

 決定する側にいないことが、自分、家族、親族、友人、知人、属する民族の今日の生命になんの防御手段も持ち得ない現実と同義である不条理を、ユダヤ人もロマの人も捕虜も死ぬまで何万回も悔やんだことだろう。その後悔の果てに、攻撃に対する苛烈な反撃という選択しか残らなかったとしても、それでもなお、と振り上げる拳を押しとどめねばならないのだ。その拳の向こうに、柔らかい累卵があるゆえに。