ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

ドラマ『三体』第21話から第25話ぐらいまで

 WOWOWオンデマンドで、3ヶ月連続全30話を10話ずつリリースという形式で視聴している、劉慈欣原作のドラマ『三体』。中国語がわからないので、字幕から目を離すとすぐ話の筋が追えなくなる点は、なかなか難しいけれども、わたしは、原作を敢えて読んでいないので、それなりに話の展開を期待するというモチベーションは、かろうじて維持されているようです。とはいうものの、ドラマの内容と原作そのものとがどのくらい異なっているかはわからないので、いずれ原作も読むに違いない。そのとき、物語のあらすじを知っているというのは少々残念だけど、きっと細部はすぐに忘れてしまうだろう。

 今回のリリース分で、政治的にひどい目に遭って、一家は離散、敬愛する父親は非業の死を遂げた女性科学者が、いったい何をして人類に復讐をはかったのかという核心部分に入った。比較的若い世代の中国人SF作家(とてもざっくりした把握だけど。)の短編中編のアンソロジーなど読んだ感じでは、その書き手たちは、けっこう「家族」というものを大切にする。少ない兄弟姉妹、わけても一人っ子政策のもと、両親とじいさんばあさん2組の計6人から期待を掛けられて大事に育てられた来歴が、じいさんやお母さんの思い出に連なるものへの愛着を語らせるのかもしれない。ケン・リュウ『紙の動物園』など、幸薄い人生を生きた母親の記憶が、読む者のこころに棲みついてなかなか消えない佳作である。