ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

車椅子を押しながら投票所の内部を巡る

 同居の年寄りは、腰や膝は年齢よりも若いのだけど、くるぶしに問題を抱えているので、歩き悩む傾向がある。そのため、日曜の投票には、非力ではあるけれども、わたくしめが年寄りの座乗する車椅子の背を押して出掛けてきた。

 よく晴れた冬の日の午後である。ほとんどフラットに舗装された経路を通って、車椅子を進める。投票所と指定された建物の入り口にも幅の広く、しかも勾配の小さいスロープがあって、受付で一応念のため、このまま入ってよいですか、と尋ねた。もちろんそのままエントリーしても構わなくて、入ってすぐのコーナーで通知葉書を提示して投票用紙を受け取った。そこから低い方の投票用紙に候補者名を記入する机のほうへまず年寄りの車椅子を、と進もうとして、なにかが車輪に触れて車椅子が止まった。敷物の下の、なにかの電源ケーブルを保護していると思しきプラスティックに比較的径の小さな車輪が当たったようだ。

 見ていた案内の人が、あ、あ、と気にしているようなので、前輪を押し上げて障害物を通過する方法でなんとか通過した。手押し式のシルバーカートのご年配も突っかかると危ないから、もしかしたらより滑らかなようにしたほうがいいかもしれない。

 さて、それぞれ候補者名を記入してから、折りたたんだ投票用紙を投票箱に入れた。あとは、行きと同じような障害物を気にしながら(でも幸いなことになにもなかった。)、外に出て帰宅した。年寄りはなにもいわなかったけれど、わたしの押す車椅子では、押しているよりも乗っているほうが30倍くらい怖いだろうに、よく怺えた。

 

いちごもおいしい