ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

Tokyo Vice season 2 #8

 現在は、2024年5月。だから、このフィクションとノンフィクションの間を危うげに漂う物語は、20年以上昔の東京を舞台としていることになる。アメリカ本土の監察医の息子に生まれたけれど、日本の反社組織に強い興味をもって東京に留学し、そのまま新卒で全国紙の記者として職を得たジェイク。もともと都内を地盤とする任侠系の組織の組長に見込まれて将来の組を担う者として修行中のサトウ。サトウと激しく求め合ったりそっけなく別れたりまた縒りを戻したりする合衆国出身のホステスにして実業家のサマンサ。そして、縄張りのひとつである新宿ごと、サトウの組をも併呑しようとする、関西から侵攻してきた大きな組のボス、そのボスを実家の経済力で支える本妻、なぜかジェイクとつきあってしまう愛人。それから、渡辺謙演じる警視庁の刑事片桐。彼を叱咤激励して、東京から反社組織を一掃しようと目論んでいた真矢ミキの長田警視は、上層部の忌諱に触れて異動させられてしまった。

 上の段落の内容を一文でまとめてしまうと、白人の新米記者と、ヤクザの青年が、大きな魚に呑み込まれることなしに、夜の東京を泳ぎ切って無事向こう岸まで渡れるかどうかという話。

 真矢ミキさんの上級警察官役は、『踊る大捜査線』シリーズでいかりや長介さんや柳葉敏郎さんらと共演したときぶりに見たけれど、やはり水際立った美しさで。

 #8では、組で借り切った銭湯で、サトウと反目する兄貴分が殴り合うけれど、その結末の映像処理が、たとえば『孤狼の血 Level2』や、『アウトレイジ』シリーズなどの近年の反社組織の抗争シーンと比較して、意図的に生々しさを暈かしており、国際的に広く配信して商業的に成功するためにはやはり「そういった配慮」が求められるのだろうか、などと考えたりもした。

 

#1 新聞記者

#1 新聞記者

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