ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『ニューアムステルダム』最終回

 ニューヨーク市にあるアメリカ合衆国最古の公立病院に、ある日、新しい医療ディレクターが着任し、妊娠中の美しい妻とこれから新しい生活を営んでいこう、とする最初の回から数年。おそらくドラマ製作者と出演俳優らの誰もが予想していなかったCOVID-19のパンデミックのために、このドラマシリーズは、当初予定されていたよりも深く重い問いを負わされた。そのひとつが、生命は、なんのために生まれて消えるのかということだ。これには、まったく答えが出ない。

 さて、主人公のマックスは、医療者としても人間としても卓越した能力と優しさをもつ人物だ。彼が、限られた予算、人的能力にぐいぐい圧迫されつつも、患者一人一人によりよい医療を提供しようと走り回る姿は毎回感動的だ。シリーズの途中で、患者、その家族、病院スタッフのそれぞれの心に大きな爪痕を残したCOVID-19からなんとか病院を立ち直らせようと彼は奔走し、ようやくその目処が立ったと見極めて、新しい生活へ旅立とうとするのだが、なぜかまた古巣へ戻ってきてしまう。そして、1シーズンが過ぎ、物語がとうとう本当の終焉を迎えたあと、ニューアムステルダムが迎えた新たな医療ディレクターは……!