ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

初歩的な過ち、あるいは顔表面に関するクロニクル

 自分の両頬の中央寄り各2分の1と鼻の表面について、長らく混合肌のうち脂性に傾いた部分であって、しかも毛穴が汚れがちであるとみていた。そのころ常用していた塗ってしばらく待って乾いたら剥がすという、いわゆるピールオフパックの肌面には、透明に近いが細い数ミリの長さのものがびっしりと付着していた。なかには本物の角栓もあったから、だいたいすべて角栓そのものか形成途上の角栓(以下、「角栓等」という。)だと思って、月に2回はピールオフをしていた。

 ところが、あるとき気付いてしまった。本物の角栓はあるにはあるのだが、わたしが角栓等とみなして剥がしていたものの大半は、顔のうぶ毛であった。ここからは、自分としてはやや切ない話になるのだが、十年以上前にある手術を受け、また、同時期にステロイド剤等の大量投与を繰り返し受けてからというもの、体表上の体毛分布が劇的に変化した。四肢や腋窩体幹部もおそらく背中を含めてだいたい薄くなったのだが(それでも平均的な同民族同性同年代平均のやや薄めといえる程度。)、とても困ったことに鼻の上、およそ3平方センチほどの部分に黒めの毛が生えてきた。角栓というには胡乱な様子なのでよくよく鏡をのぞき込むと、それは毛だった。「うぶ毛」ではなく、「毛」。

 電気シェーバーでは飽き足らず、Schick社の替刃が3枚700円で、しかもできれば1回使うごとに取り替えよという剃刀を併用するようになった。そうすると肌表面への刺激を減らしたい年代でもあるから、ピールオフパックを行う回数は、しぜんと減っていった。

 

 定期的にジェルで保湿した肌表面に刃を滑らせるようにして以来、黒い毛そのものはそれほど目に付かなくなった。また体毛分布が切り替わって鼻先3平方センチメートルの黒い毛は生えなくなってしまったのだろうか。いやいや、まだ油断はできない。

 とりあえず、生きている限りは角栓等とのおつきあいは続く。ゆうべは、ちふれのピールオフパックを開けて、鼻と頬の中央部、そして顎の周りなどに塗ってみた。よくわからなかったけど、けっこう角質はとれて保湿もできたんじゃないかしら。

 

 ついでに石鹸も。これが白桃のかおりなのかどうか、どうにもわからない。でも、しっかり汗や汚れが流れるし、236円ぐらいという価格もありがたいから、白桃のかおりが少なくても構わない。