ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

鏡に映ったあなたの姿

 中学の理科の、「光と音」のうち、「光の進み方」に関する問題を試しに解いてみたりしていたので、「実像」「虚像」ということばが後になっても脳裏に残っていた。

 そうしたところ、きのうの夕刻、NHK総合の「首都圏ネットワーク」を観ているときに、ある俳優が強制性交罪の容疑で逮捕されたことが報じられた。犯行が行われたのは、昨年7月のことだという。少し前に、彼は、ある石鹸ブランドのテレビコマーシャルでサラリーマン・夫・父親の一日を演じており、設定の詳細に対する評価はさておき、わたしはそれはそれでよいショートムービーだと思っていた。

 この先、彼がひとりの容疑者として、どのような途をたどるかは正直まったくわからない。派遣型のマッサージの役務を提供することを生業としていた被害者の女性のこともけっして貶めたくはない。法に触れる行為をたしかにしたというならば、罪を償い、被害者に対しても謝罪と被害弁済をしてほしい。それから、彼がふたたび、人の目に触れる映像の世界に戻るかどうかは、誰が、というよりは、そのときの状況を構成するいくつかの何かが決めることだろう。

 虚像でも、実像とまったく関わりのないものではないのだから、今回の残念な事件のあとでも、たとえばあの石鹸のショートムービーを大嫌いにはなれない。