ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』

 日本語吹替版をWOWOWで。映画冒頭、赤軍兵士である主人公らはT-34ー76たった1両で、モスクワ近郊に押し寄せるドイツ国防軍の戦車隊を迎え撃つが、あえなく破れる。それが1941年のこと。それから時を経た1944年、押し戻されたとはいえ、なお、勝利を信じてやまず意気軒昂なドイツ国内の絶滅収容所に、戦時捕虜として主人公らは囚われている。ドイツ軍は捕虜である彼らに、鹵獲したT-34ー85を修理して、砲弾を与えられない状態で士官候補生らの訓練のため、標的となれと命じる。赤軍の戦車長だったニコライは、通訳のアーニャの命を救うために、この任務を引き受ける。このへんから、ニコライとアーニャの間に、愛みたいなものが生まれたのだろうが、「この収容所に置き去りにされて生きるくらいなら、一緒に脱走してあなたのそばで死にたいわ。」というセリフに李香蘭の出てきた映画のような古式ゆかしい常套を感じたのだけど。

 ともかく、戦車長以下4人の男たちは、奪い返したT-34で、収容所から300km先のチェコ国境を目指して猛然と走り出す。途中で、地図を盗んで脱走していたアーニャも拾って。悲壮だけれど陽気な逃亡劇。士官は、脱走する義務を負う。彼らが、なぜ、砲弾を与えられていないにもかかわらず、数回の砲撃によって追っ手を撃退できたのかは、劇中のかなりせつないエピソードに関連する仕掛けなので、ここでは書かない。とにかく、ナチスドイツ国防軍もけっして一枚岩ではない状況下、最善を尽くしてニコライらを足止めしようと努めるイェーガー大佐との最後の一騎打ちとか、見応えはあった。飛んでくる砲弾が一瞬止まって見える仕掛けとか。

 大画面、大音響でなくても、迫力は伝わってきた。

 

T-34 レジェンド・オブ・ウォー (字幕版)

T-34 レジェンド・オブ・ウォー (字幕版)

  • 発売日: 2020/04/29
  • メディア: Prime Video