先日、この冬はじめて唇の両端が切れそうになった(片方は、切れた。)。その2週間ほど前、いつもは長袖シャツの下に隠れている両方の肘がかなり乾燥していて驚いた。ちなみに、両膝は、それほどでもない。
たぶん、身体は秋口から少しずつ乾いてきてはいたのだろう。表面からまた深部から、だんだん水分量は少なくなっていった。外にでて長時間強風に晒されたり、室内でも寒いところでずっと作業を続けたり、そういうことは殆どしていないから、殆ど晴ればかりが続いた何十日間かの東京の日夜のもとで、ほんとうに僅かずつ、いわば水分負債が蓄積していったに違いない。
それがある日、ぴりりと唇の端を切る。手の甲がざらざらになってライトに透かしてみると、細かな鱗が立ったようなふうにも見えるようになる。ちょっと考えて、ビタミンE配合のクリームを取り寄せたりする。