ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『麒麟がくる』第43回

 今回は、織田信長という覇者を創り出した、道三の娘・帰蝶に向かって、十兵衛が信長をどうすべきかと問う場面があった。帰蝶は、父の道三であれば、己の手に負えなくなった信長を自ら始末するであろうと答えつつ、それをする道三は大嫌いだという。それに和して、十兵衛も自分も道三が大嫌いと述べるが、ふたりの心のなかは、信長に対するほろ苦さと、道三に向ける思慕で溢れそう。道三と帰蝶、あるいは、信長と帰蝶は、ごくありふれた、父親と娘とか、夫と妻とかいう関係ではないのだ。成り上がりの国持ち大名とその優秀な政略の道具である娘、登りつめようとする権力者とそれを支え続けた配偶者だから、十兵衛その他の余人の諫止も、内なる心に従う自制も、まったく効かなくなった信長は、早晩死すべきであると、帰蝶は、いうしかないのだ。

 それをきいて、十兵衛の覚悟もだんだんに固まっていく。さて、満座の中で、打擲され、足蹴にされ、辱められたラストシーンは、なんのためにあったのか。それは、主殺しの理由付けとされるのか。

 次回、最終回。

 

  森蘭丸板垣瑞生さんで、わたしは、『精霊の守り人』以来。