ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

張競『恋の中国文明史』

 七月の中旬から少しずつ読んでいた、出版年が2000年ぐらいの本。古代中国から民国成立前夜のフェミニズムの嚆矢らしい話で終わっていて、肝心の共産中国における恋愛事情についてはほとんど触れられていなかった。

 本書では、恋と、恋と密接な関係のある婚姻と民族性の相関について、漢民族とそれ以外の民族を二項対立的なポジションに置いて論じるのではなく、中国の文化が、数にして半分くらいの漢民族の皇帝とそれ以外の民族の皇帝のもとで展開された諸王朝を支え、壊し、編み込まれ、飲み干されながら、脈々と続いてきたことをベースに記述している。数の上では、きっと漢民族は、圧倒的に優勢なのだろうが、中華は辺縁に始終誘惑され、威令を轟かせる一方で、つねにたぶらかされている。そして生じる混淆こそが、中国をゆたかに富ませる。