ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

最後で最初の人類とボルシチ

 Oisixの通信販売で、冬の間にSoup Stock Tokyoの「東京ボルシチ」を1個だけ買い、なにかあったときにこっそり温めて自分だけ食べようときめていた。結局、その「なにか」はなかったので、東京ボルシチは冷凍庫の中で平べったく凍ったままだ。いずれ食べなければならない。

 それとは別に、生協さんの宅配の野菜ボックスにビーツが数個入っていた。ボルシチか金平ぐらいしか思いつかないのは、この野菜にほとんど馴染みがないから。

delishkitchen.tv

 レシピを幾つか眺めてみて、デリッシュキッチンさんのものが好みに適っていたので倣わせていただくことにした。ただし、嵩が増えても困るので、キャベツは敢えて加えなかった。それから、パセリのほかにタイムを少々足した。

 お題でカレーライスについて書いたエントリが「きょうのはてなブログ」のリストに入れられたようで、もっと尖った、さらにエッジの利いた、それでいてどこか懐かしいような紹介文を書いていればと思わないでもないけれど、このごろ胃と相談しながらほんの少しの食事を咀嚼する生活なので、ごくふつうのカレーライスのはなしに終始した。ボルシチに至っては、ロシアとウクライナという目下の交戦国同士がいずれもソウルフードのひとつに挙げるものだから、作ろうという気力を奮い立たせるだけでもたいへんで、同じ手間なら(たいした手数ではないけれど)、次はふつうのビーフシチューがよろしいですという感じ。殺すことをやめて黙って殺されろという筈もないわたしは、かといって殺されるくらいなら敵のひとりも屠ってから終われともいわない。19歳の男の子が殺し殺されるために前線に送られて、21歳のお嬢さんが避難した先の外国で大卒の資格を得て職にも就く、性別の差がその先の人生の違いにこれほどくっきりと影を落とす戦争という事態を前に、19歳の少年に死ねと命じるに足る大義名分とはなにかと改めて考えずにはいられない。……そんなもの、たぶん、ない。