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ぴょん記

まじめにはたらく

春琴抄

 水曜は、月曜を一日寝て過ごしたものだから、少しすることが溜まってしまって、朝から机に就いていた。宅配便の配達と、こちらからの資料の集荷を一緒に済ませてしまいたかったので、デッドラインは16時。ああでもないこうでもないと知恵を絞りながら、ときおりツイッターはてなハイクを覗いて、昼食を挟んで作業。ぎりぎりの15時半になんとか成果物を揃えられた。

 かなり目が疲れているのに、まだ何か読みたくなって、青空文庫さんで谷崎潤一郎の『春琴抄』を。道修町の大店に生まれた娘が幼くして盲目になり、そこへ奉公にきたある丁稚を好んで身の回りの世話をさせる。丁稚のほうも、音曲の道に通じた幼い女主人のあとを追うようにその世界に入り、やがて長じたふたりは育った店を離れて一軒家を構える。あくまで師匠と弟子、主人と奉公人として。それはそうなんだけど、ふたりの間には都合4人ほどこどもも生まれていて、幕末から明治の初めとはいえ、なかなかそのあたりがふしぎ。

 負けず嫌いというか驕慢というか、そういう性格が災いしたのか、女主人は、ある事件によってその美貌を失ってしまい、するとこの奉公人の男は、自らの目を衝いて盲目になって、女主人の顔を見ることのない存在へ自らを導きます。

 献身、マゾヒズム、純愛。十三のときに惚れた女に、八十幾つで自分が亡くなるまで、自分のなけなしのリソースのすべてを注ぎ込むというのをはたして愚直と評してよいものでしょうか。

 

図書カード:春琴抄

 

 

春琴抄

春琴抄