ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

『お遊さま』

 船場の御寮人が、嫁いで一子をなし、未亡人になったあとも、きょうだいや使用人たちに大切に傅かれ、なかでも妹の夫からは渇仰に近い想いを寄せられる。春琴抄のような急傾斜を転げ落ちるような熱と、細雪のぼんやりとした身内の思いやりが綯い交ぜになった主人公と妹、その夫が作るトライアドは、しかし、やがて崩壊する。そのドラマを読む者がそれぞれの経験でもって埋めていかねばならない、縦書きのワークショップのような小説だった。